artscapeレビュー

隈研吾『自然な建築』

2009年07月15日号

発行所:岩波書店

発行日:2008年11月20日

20世紀の建築は、コンクリートという均一な技術によって世界を覆いつくした。それは場所に関係なく、自由な造形を可能にする魔法の材料である。しかし、こうした普遍性は、世界の同一化を推進し、建築の多様性を失う。またコンクリートは、どう見えるかという外観を重視し、モノの存在のあり方を軽視する。が、人間にとっての豊かさを回復するには、生産や構法のレベルから「自然な建築」を再考すべきだ。本書は、隈の手がけた作品を通し、地域の自然素材をいかした、現代的なデザインを提示している。

詳細:http://www.iwanami.co.jp/hensyu/sin/sin_kkn/kkn0811/sin_k443.html

2009/06/30(火)(五十嵐太郎)

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