artscapeレビュー
岸田劉生──肖像画をこえて
2009年07月15日号
会期:2009/04/25~2009/07/05
損保ジャパン東郷青児美術館[東京都]
没後80年というが、なにか唐突感が否めないのは損保ジャパンの単館開催だからだろう。これが東京近美とか平塚市美だったらまだ納得もいくのだが、なんでほかの画家の名を冠した損保会社の美術館で劉生をやらなきゃいけないんだ? でも展示は自画像をはじめ肖像画に絞って、東博の重文《麗子像》が出てないのは残念だが、デューラーの影響の明らかな《麗子肖像(麗子五歳之像)》、妖怪みたいな《野童女》などが出ていて、なかなか見ごたえがあった。しかしこうして見ると、意外にヘタだったのね。もう少しうまいと思ってたのに。
2009/06/02(火)(村田真)