artscapeレビュー
アイデンティティ、ボディ・イット
2010年06月15日号
会期:2010/05/21~2010/06/19
nca[東京都]
東谷隆司の企画で、サラ・ドラタバディ、ジャナイナ・チェッペ、片山真理ら女性アーティスト6人が出品。キャプションがないのでどれがだれの作品かわからないが、入口横にあった映像作品に目が釘づけになった。照明器具を掲げて彫刻のようなポーズをとる全裸の女性が、自分で明かりを消したりつけたりするたびに、目を閉じたり開けたりするという行為を繰り返すという映像。ただそれだけのバカバカしい映像に、なぜそれほど惹かれたのかというと、おそらくそこに、彫刻、女性ヌード、光と闇、眼差しといった美学・美術史のエッセンスがつまっているからではないかしら。いいなあ、こういう軽くて重いの。
2010/05/25(火)(村田真)