artscapeレビュー

ティンバライズ建築展

2010年06月15日号

会期:2010/05/21~2010/05/30

スパイラルガーデン[東京都]

2000年の建築基準法改正により、木造による耐火建築が可能となり、都市の中で大規模木造建築物をつくることが現実的となった。本展覧会は、表参道とその周辺地域に7つの木造建築プロジェクトを計画したものを展示することにより、「都市木造」の可能性を問うたものとなっている。単に法規的な規制緩和との関係だけでなく、木造建築は炭素を固定することから、低炭素社会への布石ともなっている。会場を見て、建築に新しい「種」が現われたかのような驚きを感じた。もしこういった都市木造建築が可能になっていけば、都市部における構造の選択肢が増えるわけであり、さらには木造超高層といった未踏の建築も生まれる可能性もある。さらに大学の研究室や建築家による提案プロジェクトコーナーは、その可能性をさらに展開するものであった。現時点では、4階以上の木造建築で実現しているものは多くはないが、本展覧会は実現可能な未来を展示するものであり、今後の新しい流れが生まれる兆しを感じさせた。

2010/05/21(金)(松田達)

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