artscapeレビュー

國府理 展

2010年06月15日号

会期:2010/05/04~2010/05/16

アートスペース虹[京都府]

國府理の新作展。数年前、事故で重症を負ったアーティスト、永井英男氏との関係から、革張りソファでつくられた電動車椅子、のこぎりがついた松葉杖など特殊器具という実用性をもつ今回の作品が制作された。8日には、ヤノベケンジ、名和晃平、永井英男をゲストに「A.A.A.Project:アーティストは自立し得るのか」というタイトルのアーティスト・トークも開催。作家の制作意欲と身体の不自由、制作スタンスなどのジレンマに接して、同じ作家としてどのような関わりが可能か、そもそも制作手段や方法、その技術において他人の力を借りることを前提にした表現活動では、身体的な障害をもつこともたないことの差はどれほどあり、なにが問題になるのか。問題提起はいろいろあり、ひとつの答えが出たわけではないが、自らの言葉で考えを語る国府とゲストアーティストの、それぞれの誠実な姿勢が印象に残る興味深いトークだった。

2010/05/08(土)(酒井千穂)

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