2021年12月01日号
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artscapeレビュー

京芸Transmit Program#1 「きょう・せい」展第二期

2010年06月15日号

会期:2010/05/01~2010/05/30

京都市立芸術大学ギャラリー@KCUA[京都府]

京都市立芸術大学のギャラリーのオープニング企画、第二期。芦田尚美、今村遼佑、岡田真希人、西上翔平、東明、藤井良子、前川紘士、水田寛、芳木麻里絵ら9名の作品を紹介する。会場は、混とんとしたイメージの第一期展とは異なる作家ごとの個別展示。映像インスタレーション、陶芸、染織、絵画など、作品形態はさまざまだが、素材や技法にも注目したい作家が多く、奇異をてらわないシンプルな展示はとても良かった。この日は『ジャパンタイムズ』学芸部記者イーデン・コーキル氏をゲストに招いたアーティスト・トークも開催。コーキル氏からは、日本のアートシーンを海外に発信する立場から見た京都と東京の違いや、伝統や歴史的文化といった、表現の背景にあるその土地独自の文脈、それを伝える難しさなどが語られた。さらに興味深かったのはカンボジアやラオスなどアジアの国々の美術と教育を例に挙げての、伝統技術と芸大の教育のあり方とその現状、実際のアートマーケットと作家自身の関係性へのアプローチ。議論に発展するほどには至らなかったが、伝統産業や工芸との関わりの深い京都で、表現活動に関わる者にとってはたいへん有意義な内容だったと思う。

2010/05/02(日)(酒井千穂)

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