2021年12月01日号
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artscapeレビュー

「ダヴィンチの森 レノンの瞑想」山部泰司、美崎慶一

2010年06月15日号

会期:2010/05/04~2010/05/16

gallery morning kyoto[京都府]

二つの大きなアートフェアもまもなく開催、という頃、「京都はアートフェアの季節。gallery morning kyotoもひとりアートフェアやります。」というTwitterのつぶやきを見つけ、思わず吹き出してしまった。ギャラリーモーニングはちょうど一年前にオープンした画廊。見にいかねば!と思わせられるチャーミングなつぶやき。この「一周年記念のアートフェア」という企画と同時に山部泰司、美崎慶一の絵画展も開催中だった。「ダヴィンチの森 レノンの瞑想」という二人展のタイトルは、それぞれの絵画に描かれた小さなモチーフや、その制作のテーマから画廊オーナーが連想したものだそう。中世や近代の名画に描かれた森の道のイメージをモチーフにした、山部泰司の一連の絵画は、「描かれた風景」の物語として実際の時間を追うように展開する。絵画の画面に表われる画家の記憶や、「風景」として表われる時代ごとの時間や自然と、描かれた情景に重層的な時間の奥行きを感じさせる作品。一方、日常的な風景を描く美崎慶一の表現は、余白と描かれた対象の関係が絶妙に時間の経過やその意味を示す。そっと見る者にクイズを出すようなおしゃれなセンスが画面にうかがえてこちらも楽しい。奥のスペースで開催されていた小さなアートフェアの作品群も、「ダヴィンチの森 レノンの瞑想」もとても清々しく上質な展覧会だった。

2010/05/09(日)(酒井千穂)

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