artscapeレビュー
酒井抱一 琳派の華
2011年04月01日号
会期:2011/01/22~2011/03/21
畠山記念館[東京都]
江戸琳派の創始者、酒井抱一の生誕250年を記念して同館が所蔵する抱一の作品を公開した展覧会。《十二ヶ月花鳥図》を会期中の全後半に分けて半分ずつ展示したほか、《風神雷神図》《四季花木図屏風》など30点あまりが展示された。日本美術の伝統のひとつが、余白によって空間を構築しながら限界ぎりぎりまで簡略化した線によって対象を再現することにあるとすれば、抱一の絵にはそれがあらわになっている。とりわけ《月波草花図》は、夜月のもとではね上がる白波を、ごく簡素な線だけで巧みに描き出し、冷たい海と空の拡がりを存分に感じさせた。
2011/03/04(金)(福住廉)
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