2019年07月15日号
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artscapeレビュー

AIR 3331

2011年04月01日号

会期:2011/02/25~2011/03/13

3331 Arts Chiyoda[東京都]

国内外からのアーティストとキュレーターがアーツ千代田3331に滞在しながら制作した作品を同会場で発表した展覧会。9人のなかでもとりわけ際立っていたのが、東野哲史。ホワイトキューブのなかに、ここがもともと中学校だったことを彷彿させるインスタレーションを演出した。バケツ、黒板、下駄箱、そして机の上の教科書に隠されたマンガ。それらが縦横無尽に組み合わせられた歪な空間は、私たちの学校に対する捩れた想いと対応しているようだった。否応なしに集団に巻き込みながらも、同時に個人として自立することを迫る矛盾した論理。あるいは、惹かれつつも離れたいという二律背反的な心情。この矛盾に満ちあふれ、しかも強制力を伴った空間が、学校という特殊な制度であり、ここを通過してきたのが、ほかならぬ私たち自身であることを思えば、歪んでいるのはインスタレーションだけではなく、私たちの方なのかもしれない。

2011/03/10(木)(福住廉)

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