2021年10月15日号
次回11月1日更新予定

artscapeレビュー

2015年12月15日号のレビュー/プレビュー

《シアトルアジア美術館》

[アメリカ合衆国、ワシントン]

竣工:1933年

「socially engaged art」をテーマとしたシンポジウムに出席するために、久しぶりにシアトルを訪れた。到着初日は、《シアトルアジア美術館》へ。よく保存されたアールデコの時代の建築で、もともとはこちらがシアトル美術館の本館だったらしい。高台にあって万博のときにつくられたスペース・ニードルが下の方に見える。企画展では、韓国の現代美術、常設は中国の古代から現代美術を紹介していた。
写真:上・中=《シアトルアジア美術館》、下:韓国の現代美術展

2015/11/11(水)(五十嵐太郎)

ゲルハルト・リヒター「ペインティング」

会期:2015/11/10~2015/12/19

ワコウ・ワークス・オブ・アート[東京都]

タイトルは「ペインティング」。もちろん作品もペインティング。もう明解。絵具を何層にも重ね、スキージで擦った鮮烈な「アブストラクト・ペインティング」シリーズ8点を中心に、ガラスにラッカーで描いた「アラジン」シリーズ、スナップ写真に絵具を擦りつけた「オーバー・ペインティッド・フォト」シリーズなど。この「オーバー・ペインテッド・フォト」には瀬戸内海の風景が写ってる写真もあるが、これは2011年に豊島(豊島美術館のある「てしま」ではなく、愛媛県の「とよしま」)を訪れたときのスナップショット。豊島に新作《14枚のガラス》を見るだけの美術館(と呼ぶべきか?)を建設中で、来春公開予定だという。ただ14枚のガラスを見るためにどれだけの人が島を訪れるか、アートの力をためす試みといえる。

2015/11/11(水)(村田真)

チェン・ウェイ「ナイト・パリ」

会期:2015/10/17~2015/11/28

オオタファインアーツ[東京都]

「夜巴黎」というネオンサインが妖しげに輝くナイトクラブ、みたいな場末の都市を写した風景写真。のように見えるが、すべてつくりものだという。この1枚の写真を撮るためにわざわざネオンサインをつくり、路上を濡らして雨上がりのように見せかけたのだ。このようにホンモノそっくりにつくったモデルを撮影するのは、トーマス・デマンドをはじめ最近よくある手法だが、でもニセモノでしたジャンジャンで終わらせるのではもちろんなく、そこに西洋への憧れや都市問題など現代の中国社会の抱える矛盾を表現するのが目的なのだ。ただ中国社会の矛盾を本気で突こうとしているかといえばそうでもなく、そこは体のいいアート作品にとどまっている。

2015/11/11(水)(村田真)

尾花賢一「In the night time」

会期:2015/11/07~2015/12/05

ギャラリーMoMo Projects[東京都]

彩色した木彫。KKKみたいな先の尖った覆面をかぶった男がテレビを見てたり、自動車の横にたたずんでいたり、タイマツを掲げていたり、ベッドの脇にひざまずいていたりする「状況彫刻」。もちろんテレビも自動車もタイマツの炎も木彫で、ベッドのシーツにはシミまでついてたりしてマヌケ感が漂う。いったいこの覆面男なにものか? 首から下はごくフツーの服装なのでよけい違和感がある。そうか、これらは本性を隠した一般ピープルの肖像か。

2015/11/11(水)(村田真)

《シアトル公立中央図書館》

[アメリカ合衆国、ワシントン]

2日目の午前が、唯一の自由時間だった。2007年にOMA(Office for Metropolitan Architecture)の《中央図書館》を見学していたが、ここを再訪する。前回は天候がよかったが、今回は雨がずっと降るシアトルらしい天候だったために、室内化された広場としての巨大な吹抜けのありがたさがよくわかる。連続するスロープに全書架を並べたプログラムといい、これはOMAの傑作だと思う。中央図書館で建築ガイドを購入し、前回は情報を得られなかった街中のその他の建築群も観察する。

2015/11/12(木)(五十嵐太郎)

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