artscapeレビュー
2009年09月15日号のレビュー/プレビュー
カタログ&ブックス│2009年9月
展覧会カタログ、アートにまつわる近刊書籍をアートスケープ編集部が紹介します。
アイ・ウェイウェイ 何に因って?
2009年7月25日から11月8日まで森美術館で開催の「アイ・ウェイウェイ展──何に因って?」展カタログ。2008年北京オリンピックのシンボルとなった《北京国立競技場》など、最新作を含む約30点の主要作品をはじめ、建築プロジェクト、ニューヨーク在住時代の写真や学芸員による論考など、幅広い活躍を紹介。各作品の制作過程のメイキング写真と解説文も掲載。
北島敬三 1975-1991
2009年8月29日から10月18日まで東京都写真美術館で開催の「北島敬三 1975-1991」展カタログ。コザ、東京、ニューヨーク、東欧、ソ連と1975年から1991年にかけて撮影した約190点の写真を収録。1991年以降ストリート・スナップから離れた北島の過去に撮りためたスナップショットの再提示。
ゑびす大黒──笑顔の神さま
2009年9月5日から11月19日までINAXギャラリー大阪で開催の「ゑびす大黒──笑顔の神さま」展カタログ。脈々と受け継がれてきた身近で親しい神様として、ゑびす様と大黒様の暖かなパワーが感じられる縁起本、招福笑顔が満載の一冊。かつて各家々に祀られていた愛らしい木彫のご神像たちが約100点登場。
Fellow Travelers
クリスチャン・ホルスタッドはアメリカで最も注目されている若手アーティストのひとり。2010年には、地元NYのMOMAでの個展も予定されている。このエディションは、2007年に東京・清澄のギャラリーhiromi yoshii で発表されたインスタレーション作品「BloodBath & Beyond」のために彼が収集した素人写真を、サイズや色、紙質や表面塗工、裏面の記載、周囲の型抜き装飾までをも忠実に複製し、箱におさめたもの。
Crows and Pearls
写真家・森栄喜の東京の少年たちを彼ら自身の部屋で撮影したポートレイトと小説家・小林小路の短篇『夏の底』によるコラボレーション。一見序列のない16枚の写真カードの裏で密かに小説が進行する。16枚の写真カードは内側に小説の英訳が記載されたごく薄い包装紙に包まれ、ステッカーで留められている。写真と小説には直接の意味的なつながりは無いが、カードの束という形式の中で緩やかに結びつき、時間的持続を経ることで、読者は自らの想像上の映画の中で、自由にそれらの関係性を創造する。
2009/09/15(月)(artscape編集部)