2017年05月15日号
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artscapeレビュー

東北大学考古資料展示「先史のかたち──連鎖する土器群めぐり」

2016年10月15日号

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会期:2016/09/22~2016/10/14

東北大学トンチクギャラリー[宮城県]

東北大学の考古学とコラボレーションしながら、五十嵐研で展示構成とデザインを担当したトンチクギャラリーの「先史のかたち──連鎖する土器群めぐり」展がスタートした。現場で実寸のスタディを何度も重ねた成果もあって、スケール感がしっかりとした展示空間に仕上がった。今回、通常の博物館とは違う展示デザインが求められたが、セレクションや並べ方は、時系列や出土した場所に関係なく、かたちだけに注目して、類似したグループの土器群を連鎖させていくという手法をとった。筆者もキャプションの文章を大幅リライトするため、3時間ずっと140個近い縄文土器群を観察したが、それだけじっくり見ていることができる、かたちの面白さがある。「先史のかたち」展では、現代美術家の青野文昭に参加してもらい、考古学の正しくオリジナルに戻す修復とは違う、断片が全体の変異を起すような作品も混入させた。縄文土器のレプリカを使った新作も、土器群の外周に設置している。また期間中は、斧澤未知子が土器に触発されたライブドローイングを制作する。なお、前衛的な装幀の雑誌『S-meme』の伝統を継いで、かなり斬新なページのめくり方を必要とする展覧会のカタログ冊子も制作した。

2016/09/22(木)(五十嵐太郎)

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