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artscapeレビュー

友人作家が集う──石原悦郎追悼展“Le bal” Part1-maestoso

2016年10月15日号

会期:2016/09/03~2016/10/05

ツァイト・フォト・サロン[東京都]

オーナーの石原悦郎(1941~2016)の逝去にともなって、1978年にオープンした写真プリント販売ギャラリーの草分け、ツァイト・フォト・サロンが幕を下ろすことになった。その最後の展示として、12月まで3期にわたって「“Le bal”」展が開催される。これまでツァイト・フォトが開催した展覧会は400近く、かかわった写真家(美術家)は100名以上にのぼる。今回の「Part1-maestoso」展には64名の写真家たちが出品しているのだが、その顔ぶれを見ているだけで、このギャラリーが日本現代写真の展開に果たしてきた役割の大きさがわかる。出品作家は以下の面々である。
1ロベール・ドアノー、2築地仁、3丹野章、4畠山直哉、5小野祐次、6林隆喜、7ベルナール・フォコン、8中川政昭、9小石清、10クッチオーニ、11細江賢治、12服部冬樹、13アキ・ルミ、14ウィリアム・クライン、15荒木経惟、16ジョック・スタージェス、17ハナブサリュウ、18杉浦邦恵、19沈学皙、20北井一夫、21渡辺兼人、22富谷昌子、23杉本博司、24アドルフ・ブラウン、25吉川富三、26ルイジ・ギッリ、27ウジェーヌ・アジェ、28ゲイリー・ウィノグランド、29青木野枝、30ロバート・メイプルソープ、31小林秀雄、32木村伊兵衛、33モーリス・タバール、34市川美幸、35鈴木涼子、36屋代敏博、37柴田敏雄、38廣瀬忠司、39松江泰治、40尾仲浩二、41荒井浩之、42木之下晃、43安斎重男、44橋本照嵩、45山崎博、46先間康博、47佐藤時啓、48小瀧達郎、49アンドレ・ケルテス、50小林のりお、51金村修、52筑紫拓也、53松本路子、54楢橋朝子、55オノデラユキ、56佐野陽一、57浦上有紀、58藤部明子、59須田一政、60蔵真墨、61渡辺眸、62鷹野隆大、63ロバート・フランク、64神蔵美子。
これらの写真家たちの作品がアトランダムに壁に並ぶ様は壮観であり、それぞれの個展のシーンがよみがえってくる。ツァイト・フォトの閉廊の痛手は、むしろこれから先にじわじわと広がっていくのではないだろうか。なお「“Le bal”」展の「Part2-scherzo」は10月11日~11月12日に、「Part3-adagio cantabile」は11月18日~12月22日に同会場で開催される。

2016/09/03(土)(飯沢耕太郎)

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