2017年12月15日号
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artscapeレビュー

日吉台地下壕

2016年10月15日号

[東京都]

この春、慶応のセンセーたちの飲み会で、日吉校舎の下にある地下壕の話題になって、毎月見学会が開かれているので見に行こうって話になった。見学会の主催は日吉台地下壕保存の会。この地下壕は第2次大戦末期の1944年9月から海軍連合艦隊司令部として使われ、特攻作戦や沖縄戦の命令はここから出されたという。次世代に伝えるべき戦争遺跡なのだ。参加者はわれわれ4、5人だけかと思ったら、なんと近所(たぶん)のじーちゃんばーちゃんを中心に50人ほど集まった。みんな関心が高いんだ。あいにくの雨のなか、慶応高校の横を通り、蝮谷体育館近くの鉄の扉を開けて地下壕に入る。最初は数十メートルの下り坂。洞窟みたいなワイルドな空間を想定していたが、床も壁も天井も(カマボコ型なので壁と天井の区別はないが)コンクリートで舗装?され、快適とはいえないまでもちゃんと整備されている。奥へ進むと機械室、電信室、司令長官室などがあるが、どれもカマボコ型のトンネルでドアも窓もないため見分けがつかない。内部には横道がたくさんあり、ひとりで入ったらさぞかし怖いだろうなあ。地上に出て、軍令部第3部(情報部)も使ったというチャペルや、巨大キノコみたいな耐弾式竪坑なども見学。戦争遺跡は身近に残っているのだ。

2016/09/24(土)(村田真)

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