2024年03月01日号
次回3月18日更新予定

artscapeレビュー

後藤靖香展 モディリアーニの古釘

2016年10月15日号

会期:2016/09/16~2016/10/02

六本木ヒルズA/Dギャラリー[東京都]

現代の「戦争画」を描く後藤が、藤田嗣治を中心とする画家たちの人間関係を墨一色でマンガチックに描いている。タイトルの「モディリアーニの古釘」は、藤田がパリの下積み時代にモディリアーニからお守りの古釘をもらったら、数年後モディリアーニは亡くなり、藤田は成功を収めたという逸話に由来する。第2次大戦中シンガポールにいた藤田が帰国するとき、ふと死の不安を感じたが、古釘を持っていなかったため、宮本三郎とともに飛行場でカニのようなポーズで古釘を探す場面を描いている。ほかにも小磯良平、鶴田吾郎、梅原龍三郎、松本竣介らが登場。それにしてもいま、30代の女子が戦争および戦争画に関心を抱くのはなぜだろう?

2016/09/21(水)(村田真)

2016年10月15日号の
artscapeレビュー

文字の大きさ