2017年09月15日号
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artscapeレビュー

山本雅紀×平良博義×瀬頭順平写真展

2016年10月15日号

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会期:2016/09/03~2016/09/17

ZEN FOTO GALLERY[東京都]

ZEN FOTO GALLERYで2015年6月に個展「鑑と灯し火」を開催した布施直樹がキュレーションした3人展。彼がここ1年余りで出会った写真家たちの中から「普段コマーシャルギャラリーや写真雑誌の製作現場の視点からは見過ごされがちな」3人の写真家たちの作品を選んで展覧会を構成した。
山本雅紀(1989- 兵庫県生まれ)は「ハラワタ」で彼の家族たちとの混沌とした日常に肉薄し、平良博義(1987- 東京都生まれ)は「日々の川」で彼がたまたま荒川河川敷で出会ったホームレスの人たちの暮らしぶりを記録する。瀬頭順平(1978- 埼玉県生まれ)は「西海岸」で兵庫県須磨近辺の海水浴場に群れ集う若者たちをスナップしている。それぞれ方向性は違っているが、「身体的に写真に接し……被写体となる生身の人々の声、その時の写真家と人々との関係、感情を肌で感じ取れる」(布施によるコメント)ということでは共通している。だが、これから先がむずかしくなりそうだ。さらにステップアップしていくためには、闇雲に写真の数を増やすだけではなく、どのように写真をまとめていくかを、よりクリアーに確定していく必要がある。テキストと写真との関係をどのように構築するのかも課題になる。また、3人ともモノクローム作品なのだが、「なぜモノクロームなのか?」を一度きちんと考えてみるべきだろう。ぜひ写真集の刊行、あるいは個展の開催をめざして、写真のクオリティを上げていってほしいものだ。
3人の写真家の作品展示のほかに、「8名の新人作家によるブック形式ポートフォリオ展」も併催されていた。コマーシャルギャラリーとしてはかなりユニークな企画である。何度か続けていくと、思いがけない大物が登場してきそうな気もする。

2016/09/03(土)(飯沢耕太郎)

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