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artscapeレビュー

みちのおくの芸術祭 山形ビエンナーレ2016

2016年10月15日号

会期:2016/09/03~2016/09/25

山形県郷土館「文翔館」、とんがりビル、BOTA coffee & BOTA theater、山形県緑町庭園文化学習施設「洗心庵」ほか[山形県]

山形ビエンナーレへ。おそらくあまり予算はなく、入場無料なので仕方ないかもしれないが、作家や内容の山形縛りが強過ぎるかもしれない。その結果、どうしても同じ人物が何度も登場し、持ち弾が少ないように見えてしまう。作品としては、デザイン系よりもアートの方が印象に残る。メイン会場の文翔館では、魚市場で働きながら生涯独自の絵を描き続けたスガノサカエを知ったことが収穫だった。日本近代美術史を振り返る若手の久松知子も参加している。前回、「東北画は可能か?」が面白かった東北芸工大の会場に行く時間は、残念ながらとれなかったが、街中は一通りまわれた。ギャラリー絵遊・蔵ダイマスは一目見て、建築家物件だなと思ったら、やはり竹内昌義さんの設計である。リサーチを伴う田中望の巨大な絵画が天井高のある空間をうまく使っていた。

写真:左上2枚=スガノサカエ 左下=久松知子 右=上から、《ギャラリー絵遊・蔵ダイマス》、田中望

2016/09/23(金)(五十嵐太郎)

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