2022年09月15日号
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artscapeレビュー

没後100年:青木繁 展──よみがえる神話と芸術

2011年08月15日号

会期:2011/05/27~2011/07/10

京都国立近代美術館[京都府]

1911年、28歳で亡くなった青木繁の没後100年を記念して開催された関西で初めての回顧展。国の重要文化財に指定されている代表作《海の幸》や《わだつみのいろこの宮》はよく知られているが、今展では油彩画約70点、水彩、素描のほか、友人である坂本繁二郎に宛てた手紙やスケッチ旅行の記録なども展示された。会場には《わだつみのいろこの宮》の制作に至るまでの、日本神話を題材にした作品群も並んでいたが、それらからはラファエル前派やエドワード・バーン=ジョーンズなど、英国ロマン主義からの影響も面白いほどにうかがえる。同時に、若い青木の興味と関心の幅広さ、みなぎるような制作への情熱も圧倒的に感じられて特に印象に残った。表現や生活、健康面での焦燥感などの苦悩も含め、青木繁という作家の実像とその時代を浮かび上がらせるとても充実した展覧会だった。

2011/07/10(日)(酒井千穂)

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