2021年11月15日号
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artscapeレビュー

みちのおくの芸術祭 山形ビエンナーレ2014 山をひらく

2014年11月15日号

会期:2014/09/20~2014/10/19

文翔館、山形まなび館、旧西村写真館、東北芸術工科大学キャンパス、やまがた藝術学舎、香味庵まるはち[山形県]

文翔館は、正面のトラフのもうひとつのサッカー場に始まり、アートよりも、わりとデザイン的な作品が多い。地図が不親切で、探すのに苦労した旧西村写真館の会場は、近代建築そのものがおもしろかった。今回、山形市にいろいろ残っている小さな近代建築を見ることもでき、それも街なかアート展開の副産物である。

山形まなび館では、地元新聞社と連携した俳句と漫画のプロジェクトを展示していた。ここではビエンナーレの別企画として、山形市所蔵美術品展「名品撰」も開催していた。市が各施設で展示している山形ゆかりの作家の絵画を集めて展示するというもの。真下慶治、片岡球子らの24作品である。せっかくだからビエンナーレと連動して、もっといい空間で展示したらよいと感じた。

東北芸工大の会場では、三瀬夏之介らの「東北画は可能か?」の展覧会と、大学院のアトリエ公開を行なう。前者は、山形ビエンナーレにおいて一番印象に残ったプロジェクトである。迫力のある巨大な作品群、東北リサーチをもとにした共同制作の絵などが展示されていた。彼らは、「可能か?」という問いを継続しながら、水や山などの東北的な要素を拾い上げつつも、固定した様式に収束しない多様性をめざす。

写真(上から):
山形まなび館
文翔館前に設置されたトラフによるもうひとつのサッカー場
旧西村写真館


「東北画は可能か?」会場風景

2014/10/08(水)(五十嵐太郎)

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