2019年07月15日号
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artscapeレビュー

三菱が夢見た美術館

2010年09月15日号

会期:2010/08/24~2010/11/03

三菱一号館美術館[東京都]

開館記念展の第2弾は、サブタイトルに「岩崎家と三菱ゆかりのコレクション」とあるように、三菱創業者の岩崎弥太郎以来の岩崎家や三菱関連企業に伝わる美術品を一挙公開するもの。モネ、ルノワールらの佳品をはじめ、古書、ポスター、工芸品までいろいろあるが、私的にもっとも興味深かったのは黒田清輝の《裸体婦人像》と、山本芳翠の「十二支」のシリーズ。前者は発表当時「ワイセツ」との理由で画面下半分を布でおおわれたいわくつきの作品(静嘉堂文庫所蔵)、後者は日本的主題を油絵で描いた明治期ならではの表現だが、三菱重工の所有でなかなか見る機会のない作品なのだ。もともとこの三菱一号館(ジョサイア・コンドルによるオリジナル)が建てられた明治期、三菱には「丸の内美術館計画」というのがあったそうで、コンドルの引いたその図面も出品されている。これが実現していたら日本の美術界はどうなっていただろう。あんまり変わってないような気がする。

2010/08/23(月)(村田真)

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