2021年09月15日号
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artscapeレビュー

2012年12月15日号のレビュー/プレビュー

3331TRANS ARTS展

会期:2012/10/21~2012/12/02

3331メインギャラリー[東京都]

領域を超えてアートの本質に迫ろうとの趣旨で、Wahプロジェクトやハジメテンやコンタクト・ゴンゾなど13チームが参加している。家族の肖像をフィギュア化するパーティとかおもしろそうなチームもあったが、展覧会としてはつまんなかったなあ。展覧会というよりプレゼンの場というべきか。いずれにせよこのあと見た旧電機大学のカオティックな空気とはかけ離れていた。

2012/11/22(木)(村田真)

久村卓──あってないようなもの

会期:2012/11/14~2012/12/24

3331ギャラリー[東京都]

使いまわしの仮設壁や台座などをギャラリーに林立させ、人ひとりがようやく通れる迷路のような隙間をつくっている。仮設壁や台座はオフホワイトなので圧迫感はないが、各パーツが平行または直角に配置されておらず少し斜めに置かれてるため、実際に通り抜けようとすると予想外の動きが必要となる。床に額入り写真が置いてあったり、作品ファイルが立て掛けてあったり、なにか作業途中で放り出したような、なげやりな感じがとてもよい。

2012/11/22(木)(村田真)

荒木伸吾回顧展「瞳と魂」

会期:2012/11/14~2012/12/10

アーツ千代田B104[東京都]

ぜんぜん知らなかったけど、荒木伸吾(1939-2011)は「巨人の星」「あしたのジョー」「ベルサイユのばら」「ジャングル大帝」「キューティーハニー」「聖闘士星矢」などの作画やキャラクターデザインを手がけたアニメーター。これだけのアニメを手がけたんだからよっぽど器用な人だったはず。当初、貸本劇画を描いていた荒木が60年代にアニメ界に活路を見出したのは、その器用さを買われてのことだったのかも。もちろん貸本の凋落とアニメの急成長という背景もあったに違いない。しかし他人の漫画をアニメ化するだけではたして満足してたんだろうか。必ずしもそうでなかったことは、70歳を過ぎて45年ぶりに自分の漫画を描き始め、死の当日まで描き続けたことからもうかがえる。作品には興味ないけど、生き方には考えさせられるものがあるなあ。

2012/11/22(木)(村田真)

福嶋さくら「ブルー・バックグラウンド」

会期:2012/11/21~2012/12/09

Bambinart Gallery[東京都]

ひとけのないシュルレアルな風景に家や柵が描かれ、主要部分だけ刺繍が施されている。刺繍を使った作品は珍しくないが、彼女のように絵画の上に刺繍する例はあまり聞いたことがない。でもこのままだと「私的」「女性的」作品に見られがちで、趣味的絵画に終わってしまう可能性がある。1点だけ、赤と緑の糸で縦線を縫った抽象的な作品が異彩を放っていた。補色なのでチラチラし、ちょうどなにも映ってないテレビの画面みたい。これは画廊の人によれば、1点の絵が完成してから次の絵に移るあいだの幕間としての意味があるらしいが、ちょっと別の可能性を感じさせた。

2012/11/22(木)(村田真)

森村泰昌 展「アーカイブ、それから」

会期:2012/11/03~2013/02/11

佐賀町アーカイブス[東京都]

額縁絵画の上に石膏で型どりした足首を置いた作品がポツンと1点。まるで踏み絵じゃないか、と思ったらまさに《踏み絵》という作品だった。森村泰昌は1990年に佐賀町エキジビット・スペースで個展「美術史の娘」を開催し、人気を博す。バブルの真っただ中、佐賀町も森村も勢いがあった(森村は勢い余ってモリエンナーレだ)。《踏み絵》はそのときの出品作品。もうふた昔以上も前の話だ。

2012/11/22(木)(村田真)

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