2021年09月15日号
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artscapeレビュー

2012年12月15日号のレビュー/プレビュー

小さな建築展 第36回「豊橋の曙町建売住宅」展

会期:2012/11/01~2012/11/25

吉村順三記念ギャラリー[東京都]

結婚式の二次会前に自由学園から吉村順三ギャラリーに移動し、展示と室内空間を見学する。かつて吉村が打ち合わせで使った部屋や変形する家具が興味深い。現在、上階は複数の設計事務所のシェアオフィスになっている。「小さな建築展」の展示そのものは説明があまりなく、決して親切なものではないが、会場に吉村の娘や元スタッフがいて、いろいろと解説してくれる。また愛知県芸の保存問題も話題になった。

2012/11/11(日)(五十嵐太郎)

美しい星|フェスティバル/トーキョー

会期:2012/11/12~2012/11/20

The 8th Gallery(CLASKA 8F)[東京都]

ピーチャム・カンパニーの「美しい星」を観劇した。核の恐怖を背景とした三島由紀夫のSF(!)的な小説が原作である。舞台装置はミニマムにおさえる。本編は少し長過ぎると思ったが、クラスカの8階から屋上へと場所を変えたエピローグの空間環境の素晴らしいこと! 狂言まわしは「ゴドーを待ちながら」のエストラゴンとヴラジーミルが重なる。

2012/11/12(月)(五十嵐太郎)

アートと音楽──新たな共感覚をもとめて

会期:2012/10/27~2013/02/03

東京都現代美術館[東京都]

「美術と音楽」ならカンディンスキー、クレー、シェーンベルクあたりが定番だが(3人ともほぼ同時代にドイツ圏で活動し、ナチスの迫害を受けたという共通点がある)、「アートと音楽」だとジョン・ケージからということになるだろう。どう違うかというと、前者は画家が楽器を弾いたり音楽をモチーフに絵を描いたり、逆に音楽家が絵を描いたりするように、ジャンルの枠組みは保たれつつジャンル間の相互乗り入れが見られるのに対し、後者は美術と音楽のジャンルの枠組み自体が溶けて制作コンセプトも創作プロセスも重なり、ともに「アート」を志向する点だ。ほんとかなあ。たとえば、展示室に円形のプールをつくって数十枚の磁器製の器を浮かべ、水を加熱することによって流れをつくり器同士を接触させるセレスト・ブルシエ・ムジュノの《クリナメン》は、見て楽しい聞いてうれしい(というほどでもないが)作品で、これは美術とも音楽ともいえない、強いていえば「アート」というほかないでしょうみたいな。もうひとつ、既存のレコードを氷で型どりプレーヤーにかける八木良太の《Vinyl》は、逆に見ても聞いてもツライものがあり、それゆえに思わず笑ってしまう点で「アート」以外に遊んでくれるジャンルはないでしょう。そんなアイスべきアートな展覧会。ジャンジャン。

2012/11/13(火)(村田真)

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MOTアニュアル2012──風が吹けば桶屋が儲かる

会期:2012/10/27~2012/02/03

東京都現代美術館[東京都]

この弛緩しきった緊張感はなんだろう? 2000年の「ギフト・オブ・ホープ」を最後に、ゆるーい団体展状態が続いていた「MOTアニュアル」だが、今年は久々にコーフンした。「美術館の備品を手作りで再現して、設置しました」などと記した紙を並べた森田浩彰に始まり、下道基行、ナデガタ・インスタント・パーティー、奥村雄樹、佐々瞬、田村友一郎、そしてなにも展示しない田中功起まで、すべてがこの美術館、この展覧会をモチーフに作品づくりをしているように見受けられる。のみならず、出品作家同士が協力し、相互に影響し合い、すべての作品がつながってひとつの大きな作品を形成しているようにも感じられるのだ。ひとりひとりの作品は相変わらずゆるいけど、ゆるいまま合体したら個々の作家性を超えてメタアニュアルなできそこないのガンダム状態になりました、的な前代未聞の事態に陥っているのだ。「MOTアニュアル」史上最高のデキだと思う。いや結論はまだ早い。桶屋が儲かるまでもう少し時間がかかりそうだから。これはもういっかい見に行く価値がある。

2012/11/13(火)(村田真)

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そこからの景色

会期:2012/11/05~2012/11/17

ギャラリーなつか[東京都]

彫刻の伊東敏光、絵画の吉田夏奈、版画の吉永晴彦による風景を主題にした3人展。なかでも山を人体や頭部に見立てた伊東の風景彫刻がおもしろい。風景を彫刻でつくるのは最近ちょっとした流行のようだが、その場合たいていは急峻な山だ。こんどはぜひ平野を彫ってほしい。

2012/11/13(火)(村田真)

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