2018年06月15日号
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artscapeレビュー

バルテュス展

2014年05月15日号

会期:2014/04/19~2014/06/22

東京都美術館[東京都]

今年は日本とスイスの国交樹立150年とのことで、ヴァロットン展やホドラー展など通好みの展覧会が企画されているが、なかでも最大の目玉がこのバルテュス展だ。これまで日本では84年と93年の2回個展が開かれているが、今回は没後初の回顧展で、11歳のとき制作した素描集《ミツ》から晩年の未完の作品までの出品となる。通して見てみると、構図はアンバランスだし色彩は濁ってるしモデルのポーズもぎこちないし、アカデミックな美術教育を受けた人ならやらないようなことを平気でやってることがわかる。通常なら貴族のアナクロ趣味で終わったかもしれないところを、彼は財力と別の趣味(少女趣味)を発揮して描き続け、技術的欠陥をバルテュスならではのオリジナリティに変えてしまった。財力だけでなく努力の人でもあったのだ。初期のピエロ・デラ・フランチェスカの模写、《夢見るテレーズ》をはじめとする一連の少女像、まるで日本画な《朱色の机と日本の女》など見どころは多い。風景画や静物画にも瞠目すべきものがある。これは必見。

2014/04/18(金)(村田真)

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