artscapeレビュー

超絶技巧! 明治工芸の粋──村田コレクション一挙公開

2014年05月15日号

会期:2014/04/19~2014/07/13

三井記念美術館[東京都]

「これぞ明治のクールジャパン!!」「村田コレクション一挙公開」とあるが、うちのおじいちゃんのお宝ではない。村田理如氏の収集した京都の清水三年坂美術館のコレクションだ。中身は牙彫から刀装具、自在、漆工、印籠、薩摩、刺繍絵画、七宝、金工まで多彩。牙彫とは象牙を彫って彩色したもの、自在は鉄の部品を組み合わせて自由自在に体を動かせる動物彫刻、薩摩は細密な絵付けを施した焼き物のこと。どれもこれもスゴイ。植物の蔓や葉っぱ、虫の脚や触覚まで彫り倒した牙彫や、1平方センチ内に数十の花や鳥を描き倒した七宝など、明治職人の気迫と執念に舌を巻く。芸術性やデザイン性に走るいまどきの「工芸」にはないキワモノ的ないかがわしさまで感じられる。伝統を残すなら、鯨食よりこうした超絶技巧をこそ残し伝えていくべきだ。まあ象牙を使う牙彫は鯨食と同じくなくなっても仕方ないけど。

2014/04/23(水)(村田真)

artscapeレビュー /relation/e_00025424.json l 10099162

2014年05月15日号の
artscapeレビュー