artscapeレビュー
辰野登恵子 展「抽象──明日への問いかけ」
2011年10月15日号
会期:2011/08/23~2011/10/16
資生堂ギャラリー[東京都]
出品作品は20点もあるけれど、油彩は4点だけで、あとは版画(リトグラフ)。そういえば辰野が70年代にデビューしたときは、ストライプやグリッドによるミニマルなシルクスクリーン作品だったっけ。なんで版画なのかよくわからなかったけど、80年ごろから抽象表現主義的なタブローに移行してからは、「これが絵画なんだ」と妙に納得したもんだ。だからなんでまた版画に力を入れるのか理解に苦しむ。だいたい彼女の抽象的なイメージをモノクロ版画で刷ったところで、タブローを何十倍も薄めたくらいにしか感じられないし。まあタブローの引き立て役というのならわかるけど、まさかね。
2011/09/02(金)(村田真)
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