artscapeレビュー

驚くべき学びの世界展 in 京都

2011年10月15日号

会期:2011/09/09~2011/09/19

元・立誠小学校[京都府]

第二次世界大戦直後の北イタリア、レッジョ・エミリアで、村の人々が戦車や軍用トラックを売り払い、手づくりで始めた「自分たちの学校」が、今展で紹介された「レッジョ・エミリア・アプローチ」のはじまりだそう。この日まで私はその名も知らなかったのだが、アートを通して子どもの可能性を引き出す教育実践として、世界中で注目を浴びている幼児教育だという。今展で紹介されたのは、2000年以降にここで実践されている最新のプロジェクトやテーマに関するもので、会場には、制作環境や素材にふれ、指導者と関わり合う子どもたちを映し出したドキュメンタリー映像や、解説パネル、素材のサンプル、制作物などが展示された。沢山の人たちが訪れていたこの会場、教育関係者が多いのだろうか、解説を読みながら熱心にメモを取っている人の姿もあった。「場所」や「モノ」との対話を重視して行なわれるこの教育方法、子どもたちの反応など、確かにどれも興味深い。しかし展示物のほとんどが二次資料で複製可能なものばかりだ。1,200円の入場料は高すぎる。

2011/09/17(土)(酒井千穂)

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