artscapeレビュー
Art Court Frontier 2011 #9
2011年10月15日号
会期:2011/08/19~2011/09/17
Art Court Gallery[大阪府]
アーティスト、キュレーター、コレクター、ジャーナリストなど美術関係者が推薦者となり、関西在住、ゆかりの若手作家を1名ずつ推薦する企画グループ展。9回目となる今年も、立体、インスタレーション、彫刻、染め、絵画など、表現も多様な11名の作家が紹介された。なかでも面白かったのが、森田るいの《パンの筋肉について》という作品。パンをフックにしたものにバールをかけたり、パンが重たい金属を持ち上げるというイメージのインスタレーション。既成概念とモノの物質感を変容させる作家の技量と同時に、言葉のセンスを感じさせるもので次々と想像が広がっていく。また、「盛る」という言葉もぴったりな、ぬいぐるみや貝などを派手に取り付けた西岡桂子のコスチューム、ミニチュアの鍬や鎌などの農耕具がぎっしりと壁面に並ぶあり様に凄い迫力が感じられる占部史人の作品など、その世界観がじっくりと楽しめる作品も良かった。これからの活動も気になる作家たちだった。
2011/09/16(金)(酒井千穂)