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千代田芸術祭2011 展示部門「3331アンデパンダン」講評会

2011年10月15日号

会期:2011/09/10~2011/09/11

3331 Arts Chiyoda[東京都]

千代田芸術祭2011の「3331アンデパンダン」展の講評を画家のO JUNさんとともに行なう。建築の場合は、敷地やプログラムからある程度、解答の基準を設定できるが、アートの作品は本当に幅広い。出展者とやりとりしながら、普段使わない頭脳を駆使して、なぜこの表現なのかを考えていく。五十嵐賞は、講評を担当した作品ではなかったが、岡崎京子の『ヘルタースケルター』の世界に入り込んだ山田はるかを選ぶ。ほかに最後まで悩んだ作家は、水戸部七絵、藤林悠、内田百合香、大庭彰恵、現代芸術最終兵器研究所だった。山田の作品は、最初に見たときは展示物を触ってはいけないと感じ、なぜ岡崎京子の漫画を置いてあるのか訝しく思い、二度目の訪問時にようやく開いた。そして執拗なまでに劇中の主人公になりきる作業に驚かされる。HPを参照すると、ジェンダーを軸にしたさまざまな制作をしており、さらなる展開の可能性を感じたことが、彼女を選んだ理由である。

2011/09/11(日)(五十嵐太郎)

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