artscapeレビュー
レ・ジラフ「キリンたちのオペレッタ」
2013年05月15日号
会期:2013/04/29
六本木ヒルズアリーナ+けやき坂[東京都]
午後うちのムスコがけやき坂の路上に落書きした後、麻布十番で食事してたら開演時間がすぎてしまったので戻ってみると、すでに高さ8メートルの赤いキリンが9頭、けやき坂の落書きの上を練り歩いていた。ほかに歌姫やサーカス団の団長などが歌ったり叫んだりしているが、そんなのはどうでもよくて、目はキリンに釘づけ。胴体の前後にふたり入り、竹馬みたいな高い脚に乗って動かしているのだが、プロポーションもバランスも悪いのにカッコいいのだ。長ーい首は前の人が操作するのだが、その手が丸見え。胴体を支える支柱も丸見え。なのに違和感がない。必要なものは無理に隠そうとせず堂々と表に出す。アートはこうでなくちゃ。しかし既視感を抱いたのも事実で、横浜の「開国博Y150」のとき登場した機械仕掛けの巨大クモとよく似ているのだ。巨大クモはラ・マシン、キリンはカンパニーオフと製作者は違うけど、どちらもフランス製。さすが、納得。
2013/04/29(月)(村田真)