artscapeレビュー
ジャンゴ 繋がれざる者
2013年05月15日号
会期:2013/03/01
タランティーノ監督の『ジャンゴ』は、『イングロリアス・バスターズ』が映画を使ってナチスをやっつけたのに続き、アメリカの奴隷制度に立ち向かう作品。既存ジャンルの遺産を最大限に利用しながら、引用とオマージュにとどまることなく、かつて成立することがなかった唯一無二の映画に仕上がっている。ある意味、物語の展開は無茶苦茶なんだが、それを突っ込むのが野暮だと思う勢いをもった映画批判になっているのが痛快だ。
2013/04/01(月)(五十嵐太郎)