artscapeレビュー

常設展「東日本大震災の記録と津波の災害史」

2013年05月15日号

リアス・アーク美術館[宮城県]

気仙沼のリアスアーク美術館では、震災の「記憶」を伝える新しい展示がスタートしていた。震災直後から学芸員が撮影した200枚近くの写真、街で収集した被災物、それらの長いキャプション(全部はとても読み切れないほど膨大)を来場者が熱心に見ている。博物館的でありながら、ただの「記録」とはしない。未来への「記憶」につなぐ想像力も膨らませたミュージアムの枠組を越えた手法による展示である。また、被災物に添えられたあえて方言で記したテキストも印象的だった。

2013/04/28(日)(五十嵐太郎)

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