2019年12月01日号
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artscapeレビュー

新具象彫刻展を出発点とした東京造形大学の出身者たち

2013年12月15日号

会期:2013/11/04~2013/12/07

東京造形大学付属美術館[東京都]

ベタなタイトルだが、この「新具象彫刻展」というのは1976-85年の10年間、都美術館に集結した具象彫刻を目指す美大生たちのグループ展のこと。同展では、そのうち造形大出身者による作品を、「新具象彫刻展」出品作と、それ以降の作品、近作の3段階に分けて展示している。出品は中ハシ克シゲ、舟越桂、三木俊治、山崎豊三ら7人で、世代的には1945-55年生まれになる。みな出発点(つまり「新具象彫刻展」出品作品)は似たような具象だが、徐々に大きく姿を変えていくプロセスがうかがえて興味深い。とくに中ハシ克シゲの初期の鉄の具象からポップを経て、近年の戦闘機のフォト彫刻へと展開していく変貌ぶりは見ていて気分がいい。それに比べりゃ舟越桂などはあまり変化がないほうだ。こうして時間軸に沿って見ていくと、具象彫刻も捨てたもんではないなーと思う。ところで、屋外に1点、立方体のゲージに囲われたゴミの固まりが置かれていた。これは、原爆症で逝った殿敷侃が日本海に流れ着いた漂着ゴミを焼いて固めたものを、4半世紀後に三木俊治が発見し、福島原発の建屋を模したゲージに納めて作品に仕上げたものだそうだ。これは具象彫刻というより具体彫刻だ。

2013/11/04(月)(村田真)

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