2020年01月15日号
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artscapeレビュー

六甲ミーツ・アート芸術散歩2013

2013年12月15日号

会期:2013/09/14~2013/11/24

六甲ガーデンテラス、六甲山カンツリーハウス、六甲高山植物園ほか[兵庫県]

六甲山上の自然や眺望などその魅力とともに現代アートをピクニック感覚で楽しもうという展覧会「六甲ミーツ・アート芸術散歩」。今回は、総勢39組のアーティストの作品が六甲山上の9施設に展示された。今展は9月から開催されていたのだが、私が足を運んだのは六甲山でのピクニックにはもはや寒すぎるという会期終了間際の11月23日。台風の影響による土砂災害のため、六甲ケーブルは運休中で、山上へは運行されていた代替バスに乗って移動した。想像以上に移動に時間がかかり、いくつかの展示を駆け足で見なければならなくなってしまったのは誤算だったのだが、サテライト会場のオテル・ド・摩耶以外の会場はすべて見てまわることができた。はじめに行った六甲カンツリーハウスで目を引いたのは國府理の《森のドライブ》。赤い車が丘の上に建てられた建物のてっぺんに少しせり出すように設置されていた。乗車体験ができるというのも魅力的で、このときも大勢の人たちが作品の前で順番を待っていた。そのすぐ近くでは、若木くるみが、来場者とひとつの風船に互いの似顔絵を描くという微笑ましいパフォーマンスを行なっていた。刈り上げた後頭部に目、鼻、口などを描いていた本人の姿がまず強烈なインパクトなのだが、そんなチャーミングな若木に引き寄せられてか、こちらにも人集りができていた。その後、六甲高山植物園、六甲オルゴールミュージアム、六甲ガーデンテラスへ。個人的には最後に行った会場、六甲山ホテルの旧館に展示されていた佐々木愛の大型壁面作品が気に入った。ロイヤルアイシングを用い、六甲山にまつわるさまざまな情景を文様化、壁一面に表現したもので、クラシカルなホテルの佇まいにもよく似合う美しい趣きの作品だ。夕刻の高山植物園の木々の紅葉も素晴らしく、贅沢な作品鑑賞のひとときとなったのが嬉しい。


六甲カンツリーハウス。若木くるみのパフォーマンス作品《汗王》(プラン変更)


六甲カンツリーハウス。國府理《森のドライブ》


六甲山高山植物園内展示。袴田京太朗《ジュリアン──Scatter》

2013/11/16(土)(酒井千穂)

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