artscapeレビュー
村田峰紀「生PUNK」
2015年05月15日号
会期:2015/03/14~2015/04/04
ギャラリー・ハシモト[東京都]
ボールペンによるドローイング。というとお手軽そうに聞こえるが、そんな生やさしいもんではない。ドローイングされたベニヤ板は表面がえぐられ、ささくれ立ち、穴が開き、原形をとどめないほど破壊されてるものもある。奥の暗室には液晶テレビが7台ほど置かれているが、これもすべてディスプレイがボールペンで引っ掻き回されて画面がはがれ、きれいな虹色の抽象パターンが表われている。わずかに「クレヨンしんちゃん」や報道番組の画像がかいま見えるのが無惨だ。「パフォーマンスの痕跡」としての作品はしばしば見かけるが、これほどストレートに行為が「痕跡」した例はめったに見ない。
2015/04/03(金)(村田真)