artscapeレビュー
トーキョー・ストーリー2015[第1期]
2015年05月15日号
会期:2015/04/18~2015/05/31
トーキョーワンダーサイト本郷[東京都]
TWSのレジデンス・プログラムにより、海外の都市で滞在・制作してきた伊藤久也(ソウル)、久野梓(ベルリン)、鈴木紗也香(バーゼル)、安野太郎(ベルリン)の帰国展。鈴木はバーゼルの男の子の部屋を描くことから発想を展開し、壁2面にマティス風の貼り紙をした上に室内を描いた絵を飾っている。しかもその画面に壁紙を部分的に貼って重層化させている。この「絵画インスタレーション」にはさらなる発展の余地がありそうだ。安野はルンバに自動演奏楽器を搭載してベルリンの路上を徘徊させた映像と、2カ月間の滞在中つけていた400-500字の日記を公開。同じくベルリンの久野は、抜け落ちた髪の毛でジャングルジムのようなキューブをつくったり、ひき肉とキウイジャムとの攻防をビデオにしたり、ある意味もっともベルリン的な作品を出している。彼女はもともとベルリン在住なのに、TWSのサポートを受けてあえてベルリンのレジデンスに滞在したという。いいなあベルリンは、なにやってもよさそうだ。
2015/04/24(金)(村田真)