artscapeレビュー
パーセル作曲 オペラ「妖精の女王」
2016年01月15日号
北とぴあ さくらホール[東京都]
会期:2015/12/11、12/13
歌によって物語が推進していく普通のオペラと違い、演劇と楽曲が交互に出現する形式なので新鮮である。しかも観念的な内容の歌詞のとき、物語の進行は止まってしまう。宮城聰の演出だが、シェイクスピアの同じ原作をもとにした演劇、F/T『真夏の夜の夢』において彼が見せた演出と俳優の顔ぶれは、おおむね同じだった。そこに今度はパーセルの古楽を挿入しつつ、指揮者や演奏者ともメタ的に絡む。ただし、目玉のエマ・カークビーの出番は思っていたよりも少ない。
2015/12/13(日)(五十嵐太郎)