artscapeレビュー

第3回超連結クリエイション

2016年01月15日号

会期:2016/01/24

京都芸術劇場 studio21[京都府]

今月の推薦公演は、私がディレクターを務めているBONUSの第3回超連結クリエイションにします。BONUSは2014年の7月にサイトをスタートさせた「ダンスを作るためのプラットフォーム」です。批評の活動だけが自分の仕事なのかと自問自答した結果、「作る」ことにコミットして二年目になります。多様な活動があるのですが、なかでもBONUSの中心になっているのは「連結クリエイション」と名付けた、作家たちにテーマに基づいた制作を依頼するプロジェクトです。第1回は『雨に唄えば』、第2回は『牧神の午後』を取り上げ、ダンスに限らず、美術や演劇の分野の作家たちに人類の歴史的遺産を解釈してもらいました。第3回はちょっと角度を変えてテーマを「障害(者)とダンスを連結させて映像のダンスを制作してください」としました。「映像のダンス」という依頼については、今回はあまり重視しないことになり、イベント当日は、調査・研究を重ねたその成果報告が中心になる予定です。参加作家は、砂連尾理、塚原悠也(contact Gonzo)、野上絹代(FAIFAI)の3名。また、砂連尾さんのチームでは東京大学の教員で『リハビリの夜』(医学書院、2009)の著者として知られる熊谷晋一郎さんやYCAM、野上さんのチームでは多摩美術大学の教員でクリエイターの菅俊一さんはじめ、舞台美術で活躍する佐々木文美さんらが協力してくださっており、多種多様な知恵の集う場になることでしょう。昨年8月の研究会でも調査報告してもらった伊藤亜紗さんにコメンテイターを、石谷治寛さん、古後奈緒子さんにはゲスト・コメンテイターをお願いしております。濃密な「未来のダンス」を発見する場になるかと思います。入場は無料。ただし、事前に予約してもらえると助かります。

2016/01/14(木)(木村覚)

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