artscapeレビュー
改組 新 第2回日展
2016年01月15日号
会期:2015/10/30~2015/12/06
国立新美術館[東京都]
日本画と洋画を見る。少しは変わったかなと期待したけど、ほとんど変わりばえしないなあ。どっちかといえば日本画のほうが新しさを感じる。たとえば、二科の工藤静香風の乙女チックなイラストを白っぽくしてレース編みの装飾を散りばめた松岡千瑛《MIRROR》や、マンガチックな線画とコマ割りで津波後の瓦礫と更地を描いた市川信昭《記録・わたしのまち》などは、これまでの日展には見られなかった傾向だ。洋画でも、商売繁盛の熊手に大黒さまやら弁天さまをキッチュに描いた小川八行《市の夜「麒麟のいる橋」》みたいな珍しい作品も入るようになった。でも数百点、数千点のうちのごくわずか。ここから一点突破を期待するか、多勢に無勢とあきらめるか。
2015/12/02(水)(村田真)