artscapeレビュー
プレビュー:コレクション2 ドーミエどーみる? しりあがり寿の場合
2016年01月15日号
会期:2016/01/16~2016/03/06
伊丹市立美術館[兵庫県]
コレクションの方針の一つに「風刺とユーモア」を掲げる伊丹市立美術館。その代表であり、世界有数の規模を誇るのが、19世紀パリで活躍した風刺画家オノレ・ドーミエ(1808~1879)の作品群である。本展では、漫画家のしりあがり寿(1958~)が、ドーミエ作品を元に新作を制作。時空を超えた日仏アーティストの共演が行われる。ドーミエの作品には政治風刺が多数あり、非常に辛辣な表現も多い。昨年のシャルリー・エブド事件でも取り沙汰されたフランスの風刺の伝統を知る意味でも、本展は意義深いと言えるだろう。また、ドーミエを知ってもらうきっかけとして、有名な日本人漫画家とカップリングさせる手法も秀逸だ。
2015/12/20(日)(小吹隆文)