artscapeレビュー
2014年09月15日号のレビュー/プレビュー
プレビュー:ALLNIGHT HAPS「暗闇から真昼を覗き見る」
会期:2014/09/05~2015/02/28
東山アーティスツ・プレイスメント・サービス(HAPS)[京都府]
若手アーティストの発表および若手キュレーターの活動支援を目的に、昨年より行われている東山アーティスツ・プレイスメント・サービス(HAPS)の夜間展示企画「ALLNIGHT HAPS」。会期中は終夜、HAPSオフィス1階スペースに展示された作品を道路からウインドウ越しに見ることができる。今年度後期は美術作家としても活動している中本真生によるキュレーション。ミュージックビデオの制作を中心に活動している浦崎力の初個展、ストリートカルチャーに根ざした活動を行っているATTACK THA MOONによる会場壁面のペインティング、みずのき絵画の活動より選ばれた作家たちの作品展示、映像作家・林勇気の最新作発表と、ヴァリエーションに富んだ内容でどれも面白そう。
2014/09/01(月)(酒井千穂)
プレビュー:窓の外、恋の旅。
会期:2014/09/27~2014/11/30
芦屋市立美術博物館[兵庫県]
窓とは枠組みであり、日常を象徴している。ありふれてはいるが、風景をテーマとしたときに採用する言葉としては、シンプルであるが、そこに「恋」という言葉の若々しさ、瑞々しさが加わることで、テーマにいっそう深みと想像力を提供している。谷川俊太郎の詩を軸に、下道基行、林勇気、ヤマガミユキヒロの若手3名を紹介、同美術館のコレクションより、小出楢重、ハナヤ勘兵衛、村上三郎、吉原治良などの作品も交えて構成されるよう。
2014/09/07(日)(松永大地)
プレビュー:トンネルビジョン
会期:2014/09/26~2014/10/05
KUNST ARZT[京都府]
作品自体の見える角度や状況、作品が置かれた空間、風景がテーマとなった、美術作家の桝本佳子による企画展。今村遼佑、角田広輔、清田泰寛、桝本佳子という、手法もさまざまな気鋭の関西の若手作家があつまっているのも興味深い。
2014/09/07(日)(松永大地)
プレビュー:セイアンアーツアテンションVOL.6「私の神さま|あなたの神さま」
会期:2014/10/03~2014/11/23
成安造形大学【キャンパスが美術館】、三井寺、ホテルアンテルーム京都[滋賀県、京都府]
成安造形大学【キャンパスが美術館】による、学内での企画展シリーズの新たな展開。森美術館の椿玲子をキュレーターに迎え、学内外の複数の会場を使った大規模な展覧会だ。参加作家は、飯川雄大、金氏徹平、久門剛史、前田征紀、森千裕、アレクサンドル・モベール、ステファン・ドゥ・メデロスとさまざまに第一線で活躍する気鋭の作家が中心。それに加えて、学生15人の名前も併記されている。テーマは現代における信仰のかたち。近江の地を背景に、神さまのかたち、ひいては美術というもののかたちを考えるものとして行われる。
2014/09/07(日)(松永大地)
カタログ&ブックス│2014年9月
展覧会カタログ、アートにまつわる近刊書籍をアートスケープ編集部が紹介します。
磯崎新Interviews 磯崎新1954-2014 建築-芸術 - 批評をめぐる闘争と展開 -
建築家として第一線にありながら、また傑出した建築理論家として、戦後建築に圧倒的な足跡を残す磯崎新。磯崎が建築家として出発した1954年から現在までの活動を、気鋭の建築家、日埜直彦が詳細に追跡したインタヴュー集。このインタヴューは磯崎の時々の作品と言説をテーマ、トピックス別、クロノロジカルに整理しつつ、また時に逸脱もしながら2003年からほぼ10年をかけて行なわれた。戦後建築史のみならず、現代建築と隣接するアート領域でのムーヴメントを語る上でも貴重な証言となっている。[LIXIL出版サイトより]
必然的にばらばらなものが生まれてくる
ヴェネチア・ビエンナーレのコラボレーション(協働作業)とコレクティヴ・アクト(集団行為)から1998 年の初期の映像作品まで、現在から過去へ年代順に遡り、27 のテーマに分けて「作品」と「制作行為」を具体的に論じた書き下ろしテキストを収録。 また展覧会カタログや美術雑誌への寄稿のほか、2000 年に野比千々美名義で発表した評論を再録。東京国立近代美術館キュレーターの蔵屋美香、美術家の藤井光、評論家の林卓行との対話も収録し、アーティスト田中功起の真髄に迫る。[武蔵野美術大学出版局サイトより]
Under 35 Architects exhibition
9月4日から10月4日まで、 大阪・南港 ATC ODPギャラリーで開催されている同展(「35歳以下の新人建築家7組による建築の展覧会」)の展覧会カタログ。ゲスト建築家の伊東豊雄へのインタヴュー、五十嵐淳、五十嵐太郎、石上純也、平沼孝啓、藤本壮介、吉村靖孝による寄稿、倉方俊輔による出展者へのインタビューなどを展覧会記録とともに掲載。
NATURAL ARCHITECTURE NOW ナチュラル アーキテクチャーの現在
2006年(日本語版は2008年)に出版された『ナチュラル アーキテクチュア』の第二巻。24組のアーティストによる現地調達できる低コストの自然素材と簡単な技術で構築したパビリオン、展望台、シェルター等を豊富な写真やスケッチで紹介。環境、景観、コミュニティの課題をテーマにした、建築やインスタレーションの実験的な取り組みの実録。
Switch別冊 札幌国際芸術祭 2014 OFFICIAL GUIDEBOOK
7月19日から9月28日まで、札幌市内各所で開催されている「札幌国際芸術祭 2014 都市と自然」の公式ガイドブック。ゲストディレクター坂本龍一によるイントロダクションと出品作家へのインタビュー、作品紹介、D&DEPARTMENT HOKKAIDO by 3KGの編集による観光グルメ案内「札幌の観光をデザインの視点で考える」の頁等によって構成。
2014/09/16(火)(artscape編集部)