2019年12月01日号
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artscapeレビュー

民藝運動の作家達──芹沢銈介を中心として

2011年05月01日号

会期:2011/03/13~2011/07/18

大阪日本民芸館[大阪府]

熟練した職人による堅実な造形と無心の仕事から生み出される健康な美。そうした民衆の用いる日常品の美しさに着目した柳宗悦は、陶芸家・濱田庄司や河井寛次郎らとともに無名の職人たちがつくった民衆的工芸品を「民藝」と名付け、その真髄を説いた。1927年に発表された柳の論文「工藝の道」に感銘を受けた、染色家・芹沢銈介(1895-1984)もまた彼らの活動、すなわち「民藝運動」に参加、さらには沖縄の伝統的な染色である「紅型(びんがた)」に導かれ、「型絵染」と呼ばれる独自な染色表現を確立していった。「型絵染」という名称は、芹沢を重要無形文化財保持者と認定する際、文化財保護審議会が新たに考えたもの。芹沢の仕事の大きな特徴のひとつは、その多様性にある。観賞用の屏風や額絵から、着物、風呂敷、のれん、うちわ、葉書、カレンダー、ポスター、挿絵や本の装丁に至るまで、じつにさまざまだ。同展でも、多様なジャンルにわたる芹沢の型絵染作品が紹介されている。自然のモチーフを意匠化したその表現は大胆で、洗練されたモダンささえ感じさせる。[金相美]

2011/04/16(土)(SYNK)

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