artscapeレビュー
安喜万佐子 展 Absence of Light──歩行と逆光
2011年05月01日号
会期:2011/04/05~2011/04/16
ギャラリー16[京都府]
瞼を閉じて暗闇を見つめると、不可思議な光や模様が眼前に映る。見ようとすればするほど捉え難いその情景。安喜万佐子の作品を見ていると、そんな体験を思い出さずにいられない。基本的に風景をもとに描いている安喜だが、彼女の狙いは再現的な情景描写ではない。記憶と現実を往来し、残像とでもいうべきものをなんとかして画面に定着させようと格闘しているのだ。近年は金箔を用いてソラリゼーションのような効果を狙った作品も発表。着実に自己の世界を深化させている。
2011/04/05(火)(小吹隆文)