2019年12月01日号
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artscapeレビュー

今村拓馬 写真展「Kids -existence- 2006~2011」

2011年05月01日号

会期:2011/04/12~2011/04/21

コニカミノルタプラザギャラリーC[東京都]

スクエアサイズによって写し出された子どもたちの写真。それぞれの子ども部屋で撮影されているからだろうか、その表情はいたって自然だ。いや、より正確にいえば、文字どおり、無表情である。カメラを警戒して心を閉ざしているわけでもなく、逆にカメラマンとの親密な関係性を連想させるのでもなく、その表情からはいかなる感情も読み取ることができない。ある意味で恐ろしい写真といえるが、しかしその一方で、胸に手を当ててみれば、このような「無」の瞬間は誰もが幼年期に経験したことがあることに気がつく。どれほど公園で爆発的に遊んだとしても、自室に戻ればこのような顔で静かに佇んだものだし、公園でもこのような表情を見せる瞬間がなかったわけではない。子どもの快活な表情や悲哀をとらえた写真は数多い。けれども、このような「無」を子どもの本質として写し出した写真は珍しいのではないか。

2011/04/12(火)(福住廉)

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