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世界の織機と織物──織って!みて!織りのカラクリ大発見

2012年11月01日号

会期:2012/09/13~2012/11/27

国立民族学博物館[大阪府]

本展は完成された織物、つまり織物の形(デザイン)やその用途を紹介する展示ではない。織物を織るという「織りの技術・機械」を紹介するもので、それが興味をそそられるポイントだ。身体の一部を用いる、手機や足機、腰機から、織機と聞くと真っ先に思い浮かぶ、枠機まで、さまざまな生活の知恵が紹介されていた。会場にはいくつかの体験場が設置されてあり、展示企画者は「体験型展示を通じて、産業革命以降に人類が手仕事を放棄し続けて今日に至っているという危機的状況について警鐘を鳴らし、手仕事への回帰というメッセージを社会に向けて発信することも計画している」と、企画意図を語る。織物の製作過程に興味があるならオススメ、完成品(デザイン)に興味があるならほかの展覧会をお勧めしたい。[金相美]

2012/10/19(金)(SYNK)

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