artscapeレビュー
神戸アートマルシェ2012
2012年11月01日号
会期:2012/09/28~2012/09/30
現在関西では毎年京阪神でアートフェアが開催されており、一見盛況を感じさせるものの供給過剰も囁かれている。「神戸アートマルシェ(以下、KAM)」は3つのフェアのなかで最も小規模だ。しかし、今年のKAMを観賞して、地方発の小規模アートフェアのサバイバルについて考えさせられた。KAMの選択は地元密着である。KAMでは画廊だけでなく、地元兵庫県の丹波焼の若手有志や神戸芸術工科大学の参加を受け入れている。また、販売の中心価格帯は10万円以下で、裕福なコレクターでなくても手の届く作品が多かった。主催者はKAMを、神戸に現代アートのマーケットをつくるための種まきと位置付けており、参加画廊も背伸びをしていない。この堅実な姿勢には好感が持てたし、他のアートフェア主催者にも参考になるのではないか。
2012/09/28(金)(小吹隆文)