2021年10月15日号
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artscapeレビュー

VOCA展2010

2010年04月15日号

会期:2010/03/14~2010/03/30

上野の森美術館[東京都]

VOCA賞の三宅砂織は、何枚かの透明シートに絵を描き、印画紙の上に重ねて露光するという手の込んだ制作方法を採るため、物理的にはプリントだが、イメージは絵ということになる。その折り重なったイメージが心地よいノイズを奏でるが、いかんせん色がない。そのほか注目したのは、日本の歪んだ都市文化をそれぞれ手だれの手法で表わす風間サチコと齋藤芽生、コテコテの油絵で不透明なダブルイメージを構築した平下英理、廃品の金属パイプや蛍光灯、写真などを壁から突出させずにインスタレーションした利部志穂ら。なんだ全員女性じゃないか。あ、ひとりいた。パール色に輝く絵具を用いて、ほんのわずかな色調の差で桜を描いた大庭大介。光線の加減で、画面の上下で地と図が反転して見えるのだ。こんなカメラマン泣かせの画家もいないだろう(カタログの図版は苦労したに違いない)。

2010/03/19(金)(村田真)

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