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artscapeレビュー

中山英之『中山英之 スケッチング』

2010年04月15日号

発行所:新宿書房

発行日:2010年3月

神戸芸術工科大学デザイン教育研究センターの特別講義をもとに制作された本である。個人的に、なんとも形容しがたいかたちをもつ京都の《0邸》を見学した直後、これを手にしたこともあって、中山英之が空間のイメージを練りあげる際、スケッチが大きな役割を果たしていることを痛感させられた。ハードなラインによる建築的なドローイングではない。むろん、古典的な透視図法でもないし、コンピューターのCGでもなく、手描きのスケッチ群。繊細でデリケートな手の技を見せる「エモーショナル・ドローイング」展(国立近代美術館)などにも通じる、きわめて主観的なイメージである。そこから建築が立ちあがっていることは、スケッチ群が模型や実際の写真と等価に並べられていることからもうかがえるだろう。

2010/03/31(水)(五十嵐太郎)

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