2017年10月15日号
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artscapeレビュー

The Emerging Photography Artist 2015 新進気鋭のアート写真家展

2015年11月15日号

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会期:2015/10/13~2015/10/18

アクシスギャラリー シンポジア[東京都]

ジャパン・フォトグラフィー・アート・ディーラーズ・ソサイエティー(JPADS)が主催する第4回目の「新進気鋭のアート写真家展」が、東京・六本木のアクシスギャラリー シンポジアに会場を移して開催された。各大学の写真学科、写真専門学校の教員を中心としたノミネーターが、それぞれ参加者を推薦するというやり方も、ほぼ定着してきたようだ。今回の出品作家は浅田慧子、馬場さおり、陳程、橋岡慶嵩、岩佐・ジェームズ・スワンソン、小池莉加、今野竣介、李受津、毛宣恵、松本典子、山本圭一、吉田麻美の12名である。
既に第14回「写真ひとつぼ展」(1999年)でグランプリを受賞し、写真集『野兎の眼』(羽鳥書店、2011年)なども刊行している松本典子を除けば、現役の学生か、まだ卒業して間のない、文字通りの「新進気鋭」の写真家たちの作品が並んでいる。技術的には申し分なく、作品世界もしっかりと構築されている作品が大部分だが、はみ出していく若さやパワーはほとんど感じられない。おそらく出品者の選考法にも問題があるのではないだろうか。先生が学生を選ぶということになると、どうしても優等生が多くなるのは仕方のないことだからだ。
目についたのは陳程(チン・チェン 日本大学芸術学部卒業、中国出身)、李受津(イ・スジン 大阪芸術大学大学院在学中、韓国出身)、毛宣恵(マオ・シュアンフイ 日本大学芸術学部卒業、台湾出身)といった、アジア諸国からの留学生の作品である。表現意欲、技術、継続性において、彼らの作品は他の日本人写真家たちの多くを凌駕しているように見える。アジア各地の大学や専門学校の学生、出身者にも、選考の網を拡大していくなど、そろそろ一工夫が必要な時期に来ているのではないだろうか。

2015/10/18(日)(飯沢耕太郎)

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