artscapeレビュー
菊池敏正「Neo Authentic」
2012年06月15日号
会期:2012/05/08~2012/05/26
メグミオギタギャラリー・ショウケース[東京都]
頭蓋骨や船底のような有機的形態や、幾何学を立体化した数理模型(杉本博司も被写体にしていた)を精密に彫って彩色した木彫作品。作者は東京藝大大学院の保存修復彫刻研究室を出て、現在東大の総合研究博物館で制作しているという。モチーフはこの総合研究博物館のコレクションだろう。その緻密な超絶技巧にも舌を巻くが、それ以上に澁澤龍彦的な博物学的志向性に興味をそそられるし、それを木という単一素材に封じ込めようとする趣味性に心を動かされる。
2012/05/17(木)(村田真)