artscapeレビュー

第5回東山魁夷記念日経日本画大賞展

2012年06月15日号

会期:2012/05/19~2012/06/03

上野の森美術館[東京都]

全国の美術館学芸員や美術評論家らが推薦した58作品から入選した30作品を展示し、このなかからさらに大賞や特別賞を決めていくという。会場や選考委員長(高階秀爾)も含めて「VOCA展」がモデルになっているのは明らかだが、異なるのは対象作家が55歳以下とやや高いこと、推薦作品からさらに展示作品が選ばれること、そしてなにより「日本画」という曖昧な枠があることだ。この「日本画」がどこからどこまでを指すのかがよくわからない。たとえば、鴻池朋子や淺井裕介は現代美術ではよく知られているが、だれも彼らの作品を日本画だと思わないだろう。今回、鴻池は襖絵を出したから日本画なのか。淺井の泥絵はさらに日本画から遠く、どっちかといえばミティラー画のようなインドの土着絵画に近い。これらを日本画と呼ぶには無理がある。なのに鴻池が大賞に選ばれているところを見ると、選考委員たちもそれが「日本画であるかどうか」などもはやどうでもいいと考えているに違いない。いっそタイトルから「東山魁夷記念」と「日本画」を削除すれば、すっきりするぞお。

2012/05/24(木)(村田真)

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